「これは、デートだと思っていただいてもいいですか?」
その言葉に、私の胸が高鳴った。
「私も……そう思っていました」
「本当ですか?」
篠塚さんの瞳が輝いた。
「はい。でも、まだプロジェクトの途中だから……」
「そうですね。プロジェクトが終わってから、改めて」
篠塚さんが優しく言った。
「だけど、今日は一日、仕事のことは忘れて。ただの一人の男と女として、過ごしませんか?」
その言葉に、私は大きく頷いた。
「はい」
◇
それから私たちは、近くのカフェに入った。
古民家を改装したような、温かい雰囲気のカフェ。
窓際のテーブルに座って、コーヒーを注文した。
「藤崎さん」
篠塚さんが、コーヒーカップを両手で包む。
「実は僕、ずっと不安だったんです」
「不安……ですか?」
「このプロジェクトが本当に成功するのか。祖父の期待に応えられるのか……」
彼の声が少し震えている。
「昨日も話しましたが、僕が『店を続けてほしい』って頼んだんです。だから、もし失敗したら……」
篠塚さんが視線を落とした。
「僕のせいで、店が……」
「篠塚さん」
私は、彼の手を取った。



