「好き」があふれて止まらない!



夏休みが始まって三週間。

今日からMEBIUSと二泊三日の夏合宿がはじまります⋯⋯!

「はぁ、いい天気ね。合宿日和だわ」

つばの広い帽子にサングラス、手には黒の日傘を持って日焼け対策ばっちりの海音ちゃんが綺麗な髪をさっとなびかせる。

MEBIUSとの合宿にはわたし以外に海音ちゃんも参加するんだ。

他にも律の家のお手伝いさんで二十代女性の山吹(やまぶき)さん、五十代男性の真鍋(まなべ)さんがこの合宿に付き添ってくれる。

お母さんとお父さんが合宿への参加を許可してくれたのは、海音ちゃんと大人の人がいるからだ。

「だけど、合宿に参加してよかったの海音ちゃん? 確かファンクラブには抜けがけ禁止のルールがあるんだよね」

MEBIUSのみんなと合宿に行ってることがバレたら大変なことになるんじゃ⋯⋯?

「大丈夫よ。だって今日のわたしはファンクラブ会長としてではなく、咲茉の友人として参加してるんだから」

「それならいい⋯⋯のかな?」

友達と一緒にお泊まりするなんて初めてのことだから楽しみ。

他愛もない会話を続けていると、奏人、新、千里先輩が集合場所へとやってきた。