「好き」があふれて止まらない!


「合宿楽しんできてね」

わたしが次にMEBIUSのみんなと会えるのは夏休み明けか⋯⋯なんて考えていたら、奏人が「何言ってるんだよ」と真顔で口にする。

「何って⋯⋯」

「咲茉も一緒に決まってるだろ」

「わ、わたしも⋯⋯⁉」

わたしもみんなと一緒に合宿に行くの⁉

「当たり前だろ。咲茉もMEBIUSの一員なんだから。日中俺たちは練習、咲茉は小説の執筆。あとは一緒に飯作ったり、花火したり?」

それって日中は好きなだけ小説を書けるってことだよね⁉

他にも一緒にご飯を作ったり、花火をしたり⋯⋯まるで今書いてる小説のワンシーンみたい。

実際に経験できたら小説を書く上でも活かせそう! でも⋯⋯。

「みんなとの合宿はすごく楽しそうだし、執筆も進みそうだけど、お母さんとお父さんがなんて言うか」

男の子四人とのお泊まりの許可なんて簡単にはもらえないと思う。

「それなら俺が咲茉のお母さんとお父さんに合宿の許可をもらう」

「どうやって?」

「俺にいい考えがある」

いい考えってなんだろう⋯⋯?

数日後、奏人は言葉どおりわたしの両親からあっさりとお泊まりの許可を得た。