「好き」があふれて止まらない!


「えっと⋯⋯実はその⋯⋯わたし本を読む以外に小説を書くことも好きなんです」

「それ言ってもよかったのか?」

今まで黙ってくれていた我妻くんに大きくうなずく。

杉浦くんと二階堂先輩になら話してもいいと思った。

そう思えたのは我妻くんが誰にも言わずにわたしの秘密を守ってくれたから。

我妻くんと一緒に活動する杉浦くんと二階堂先輩なら同じように秘密にしてくれると思ったんだ。

それに情熱をぶつけてくれたふたりに対して自分のことは隠したままなんて失礼だよね。

「ふたりは我妻くんの仲間だし、昨日素敵な歌を聴かせてもらったから話そうと思って。あっ、でも他の人には秘密にしてもらえると助かります」

わたしは杉浦くんと二階堂先輩それぞれに両手を合わせてお願いした。

「もちろんだよ。話してくれてありがとう」

「仲間かー! じゃあ、今日からは比高もMEBIUSの仲間だな」

イスから立ち上がった杉浦くんがわたしに向かってピースサインをする。

「えっ?」

「だって、これから一緒にMEBIUSを創っていくんだろ?」

「⋯⋯仲間」

わたしの友達はずっと本だけで、仲間なんて言葉はフィクションの中にしか存在しなかった。