それは夕飯を食べている間も、お風呂に入っている間も変わらなくて、まるで繰り返し再生のように『響け!!!』がかかり続けた。
そして、部屋に戻ってあとは眠るだけ。
⋯⋯だったはずなのに、わたしはなぜか机に向かっている。
目の前には真っさらのルーズリーフ、手にはシャーペン。
「わたし何してるんだろう」
ペンを走らせた瞬間からスラスラと次の言葉が浮かんできて、筆が止まらない。
真っ白のルーズリーフがどんどん黒くなっていく。
わたしが書いているのは小説じゃないというのに。
「次のルーズリーフは⋯⋯あった」
一枚、二枚、書き終わったルーズリーフを机の端に寄せて新しいルーズリーフを言葉で、想いで、埋めていく。
気づいたら机の上だけでは収まりきらなくなっていたルーズリーフが床に散乱していた。
それからどのくらいの時間を費やしたかわからない。
いつの間にか寝落ちしていたわたしは、あちこちにルーズリーフが散らばった床の上で目を覚ました。
バキバキになった体をストレッチで伸ばしてからルーズリーフを拾う。
「頭を使ったせいかな⋯⋯お腹すいた」
朝からご飯を三杯おかわりするわたしを見て、お母さんは「今度は食べ過ぎじゃない?」とまた心配そうにしていた。



