「好き」があふれて止まらない!


「染谷くんのことは置いといて、曲について話し合おう。歌詞は俺か奏人が書く、それでいい?」

今までMEBIUSの作詞を担当してきたのは俺と千里だ。

こうなるのは必然だろう。

「⋯⋯俺が書く。歌詞ができたあとに作曲してる時間はないから作詞作曲を同時進行して、最後に歌詞をメロディーに合わせて調整しよう」

以前の俺なら千里に歌詞を任せただろう。

俺が書くよりも、人を好きになる気持ちを知ってる千里のほうが適任だからだ。

だけど、咲茉を好きになった今なら俺にもわかる気がするんだ。

誰かを想う気持ちが。

「わかった。曲の雰囲気だけ教えて。あと、一行ずつでもいいから書けたら見せて」

「ああ」

俺は歌詞を書きながら細かいイメージを千里に共有し続けて二十分後、何とか曲が完成した。

「残り十分か」

「メロディーはシンプルなものにしたから今からでも間に合うよ」

最終確認を終えて、再び舞台に集まった俺たち。

「いや~三十分って短いよな。あ~がっつま。いい曲書けた?」

染谷が俺の肩を抱く。

「ああ。書けたよ。この対決がなかったら自分でラブソングを書こうなんて思わなかったかもしれない。だから、ありがとな」

お礼の言葉を口にすると染谷は目を見開いた。