「好き」があふれて止まらない!


「ファンサもすごいから熱狂的なファンが多いの。以前からMEBIUSを敵視してるんだけど、その理由は嫉妬よ。自分たちよりも人気のあるMEBIUSが気に入らないの」

そういえば千里先輩もグランツに敵視されてるって話していた。

「わざわざわたしたちの学校の文化祭に来るのも、MEBIUSのファンを自分たちのファンにするためよ。でもまぁ、MEBIUSのファンは簡単になびかないけど」

肩にかかっていた髪をさっと後ろに払いのける海音ちゃん。

さすがファンクラブ会長、かっこいい⋯⋯!

「咲茉も染谷(しゅう)がイケメンだからって乗り換えちゃだめよ」

「海音ちゃんは、その人のことイケメンだと思ってるんだ?」

「じょ、冗談よ。冗談に決まってるじゃない!」

黒と下書きされた部分に黄色の塗料を塗る海音ちゃん。

「海音ちゃん、そこ黄色じゃなくて黒だよ?」

「あっ、わたしったらどうしよう」

「上から塗り直せば大丈夫だよ」

相当動揺していたのかな?

海音ちゃんの焦っている姿はちょっぴりレアだ。