秘密の多い後輩くんに愛されています

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お昼休憩から戻ると、久しぶりに部長の激昂する姿が目に入った。

上からお灸でも据えられたのか、最近は割と落ち着いた様子だったのに一体何があったのだろう。

部長に深々と頭を下げている女性社員の背中を見て彼女が誰なのか一瞬でわかった。

「ねぇ、何があったの」

先にデスクに戻っていた侑里に事の発端を尋ねると、彼女は私の体に身を寄せて話し始めた。

「なんか、資料のデータが間違ってたみたい」

「それであんなに怒る?」

「実はお昼休憩前に部長の奥さんがお弁当を持ってきたんだけど、一緒に離婚届が添えられてあったの」

「なるほど……」

部長の虫の居所が悪い時に、清水さんのミスが見つかり怒り心頭ってわけか。


私が椅子を引くと、侑里が私の椅子の背もたれをがっちりと掴む。

「まさか行く気じゃないでしょうね。あんた、あの子になんて言われてたか忘れたの?」

そんな簡単に忘れられるわけがない。

あの日のことを思い返すとまだ胸の奥がチクリと痛む。

だけど、それとこれとは別だ。


彼女が自分のミス以外のことで咎められる必要はないし、もし心を痛めているのなら見て見ぬふりはできない。

彼女は私のこういうところが嫌いなのかもしれないと思うと自嘲的な笑みがこぼれた。