秘密の多い後輩くんに愛されています


「も、もしかして上田くん⁉」

「えっ、気づかなかったんですか」

長かった前髪は目の見える長さに。

そして、いつもかけていたメガネをコンタクトに切り替えて三日前とは全く異なるビジュアルで現れた上田くん。

「声をかけられなかったら本当に気づかなかった。イメチェン?」

「はい。本気出さなきゃなと思って」

そう言うと上田くんは私の隣にいた克樹に視線を移した。

「白鳥の後輩?」

「はい。企画部の上田です」

「俺は、」

「知ってます。営業部のエースで白鳥先輩の“元カレ”田島先輩ですよね」

「……ああ」

上田くんと克樹はお互い笑顔を浮かべているけれど、目の奥は笑っていない。

克樹は昔から自分よりも目立つタイプが嫌いだったからなー……。

ふたりが見つめ合っている間にエレベーターが到着して前の人から順番に乗り込んでいく。

「あ、あとひとり乗れそうですね。お先にどうぞ田島先輩」

「どうも。それじゃあまたな、白鳥」

「あ、うん。またね」

私と上田くんは遅れて到着したエレベーターに乗り一緒にオフィスへと向かった。

「あれが上田って本当⁉」

「あいつメガネの下はあんなにイケメンだったのかよ」

上田くんの激変には同僚たちも落ち着かない様子で、あの部長さえも戸惑っていた。