「……おい、お前…あの女に何した?」
「…………なーんで、お前が出てくんの?…【ハルキ】。」
朝。
俺はいつも通りを装って、プレイヤーの……琳廻の家の前で立っていた。
琳廻に、早く会いたくて。
会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて堪らなくて。
なのに、出てきたのはコイツ。
顰めっ面をした目の前のコイツは、【ハルキ】。
琳廻の……プレイヤーの義弟という設定の男。
俺の、幼馴染という肩書よりも。
もっともっともっともっと、琳廻と近い………
“家族”
幼馴染なんかよりも、更に強力な絆で結ばれているモノ。
血の繋がりは無くとも……誰よりも近くに居ることが可能になる。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
妬ましい。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
羨ましい。
嗚呼 、いいなぁ、お前は。
「さっきから何考えてんだ、お前……!」
ハルキは俺の胸ぐらを掴み、詰め寄った。
「あの女、お前の名前を出しただけで異常な怯えようだったんだぞ…!?………あの女は、このゲームの初めてのクリア者だろ!?なんであんなに怯えるんだ?何をしたらあんなにお前を恐れるようになったんだ!」
訳が解らない、という顔で俺を睨むハルキ。
「………琳廻が、俺を恐れてた?」
思わず俺は呟く。
それは、本当なのか?
「ああ、過呼吸になる程な…!落ち着かせるのも一苦労だったぞ!?」
……そんな
琳廻が俺を恐れてた………
俺のことで頭をいっぱいにして………
俺だけのことを考えて…………
琳廻の中には、今、俺しか居ないんだ………♡
「っ………ふふ…………はははっ…」
細い笑いが、俺の口から漏れる。
嬉しい。
嬉しい。
嬉しい。
気持ちが止まらない。
琳廻。
琳廻、俺の愛しい琳廻、可愛い可愛い琳廻。
愛してる。
あぁ、俺に殺されて怖かったんだ
俺のことが怖くなってるのか
俺に見つからないように
俺といつも通りを装うつもりだったのに
俺が琳廻の家の前に居たから、怖くなったのか。
俺の行動が、琳廻の気持ちを変えた。
俺には、琳廻に影響を与えられる。
……琳廻のことを何度も殺せば
より大きく影響を与えられる?????
俺だけを考えるようになる……??¿?¿?¿?¿?
「おい、馬鹿なことは考えんなよ、ユイト…!」
ハルキは声を荒げながら、感情のままに言う。
……コイツはまだ、琳廻には惚れていない。
なのに、何故
俺のすることを否定する ¿¿¿¿
何もオカシイことなんかしてない。
なのに、なんで
「………っ、なるべく、お前はあのプレイヤーに近付くなよ……!他の奴等にも伝えとく、一旦頭冷やせよ…、!」
………は?
琳廻に、近づけない?
傍にいられない?
なんで
なんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
「…………」
ハルキの首元を掴み、吊り上げる。
ハルキは苦しそうに顔を歪めた。
止めるつもりはない。
だって、コイツはそれ程酷い事を言ったから。
死ねばいい。
「っ、ぐ………っ、!」
死ねばいい。
「何……ッ …!し、て……ッ!?」
死ね。
「ッ……ぁ゛………、ッ?!」
「…………死ね」
俺と琳廻を引き離す奴は。
「……この世界の住人、全員消してやろうか?」
「ッ!」
ハルキは俺の手を肌が抉られる程、力強く引っ掻いた。
痛みで手が緩んだ所を腕で払われた。
「ッ 、! げほ、っ、が、っ……ぁ゙っ、…!!」
咳き込むハルキ。
……嗚呼、やっぱり琳廻とは違うな。
見てて気持ちの良いモノではない。


