琴音は、蓮に抱き上げられたまま、彼の寝室へと運ばれた。彼自身の部屋は、琴音の部屋よりもさらに広く、キングサイズよりも大きいと思われるベッドが中央に鎮座していた。
重厚なカーテンが閉ざされた部屋は、間接照明の柔らかな光に包まれている。だが、その光は、この部屋がこれから熱を帯びる場所であることを、隠しきれていなかった。
蓮は、そっと琴音をベッドの上に降ろした。シルクのシーツが、パジャマの上からでも肌に滑らかに触れる。
「私の部屋だ。緊張しているようだな、琴音」
蓮は、自分のジャケットを脱ぎ、椅子に静かにかけた。その動作一つ一つが、どこか儀式的なものに見える。
「あ……はい」
「緊張する必要はない。これは、契約だ」
彼はそう言うと、ネクタイを完全に外し、ワイシャツのボタンに指をかけた。その白いシャツの下に鍛えられた彼の肉体が垣間見え、琴音は思わず視線を逸らした。
「夜の要求を拒否しない。それが、君が受け入れた契約の一つだ。私は君の債務をすべて引き受けた。君は、その対価として私に体を捧げればいい」
蓮の声は低く、淡々としているが、その瞳は夜景の冷たさとは裏腹に、深く、熱を帯び始めていた。
蓮は、ベッドの縁に腰掛け、ゆっくりと琴音に顔を近づけた。
「怖いか?」
「……少し、です」
正直に答える。それは、初めての経験への恐怖と、彼という完璧な存在に求められることへの、羞恥と戸惑いだった。
蓮は、その細い指で琴音の顎を再び持ち上げた。そして、唇を重ねる。
「っ……」
最初の一瞬は、冷たさを感じた。だが、すぐに彼の舌が、琴音の唇を割って入り込み、強く、情熱的に絡めとる。それは、主導権を握る者の、支配的なキスだった。
(支配されている……)
息をするのも忘れ、彼のキスに溺れる。彼のキスは、琴音がこれまで見てきた冷たい仮面を、一瞬にして剥ぎ取るようだった。彼のすべてが、熱く、そして貪欲だった。
キスが途切れると、蓮の額と琴音の額が触れ合う。お互いの呼吸が、乱れているのがわかる。
「君は、こんなにも熱くなる。契約など、取るに足らない理由だ。本当は、私に求めているんだろう?」
彼の言葉は、琴音の心の奥底を見透かしているようで、心臓が大きく鳴った。
蓮の手が、琴音のパジャマのボタンに触れる。その指先は、冷静で器用だが、服を脱がせる行為には、抗いがたい熱がこもっていた。
「私の前では、虚勢を張る必要はない」
彼はそう囁くと、一枚、また一枚と、琴音の服を丁寧に脱がせていった。
薄いパジャマが剥がされるたびに、琴音の肌は夜の空気に晒され、粟立つ。そして、彼の視線が、その肌を追う。
「……綺麗な肌だ」
蓮の視線は、もはやビジネスマンのものではない。それは、手に入れた獲物に対する、純粋な独占欲と、男としての情欲に満ちていた。
琴音の体が完全に露わになると、蓮は自分のワイシャツも脱ぎ捨てた。完璧に鍛えられた胸板、割れた腹筋。それは、琴音の想像以上に男らしく、そして美しい肉体だった。
彼は再び、琴音に覆いかぶさる。
「私の契約の花嫁。今夜から、君の肌のすべては、私に属する」
蓮の唇は、今度は琴音の首筋、デコルテへと降りていく。熱い吐息とともに、吸い上げるような愛撫が続き、琴音は息を詰まらせた。
「や、蓮……さま……」
情欲に溺れる声が、自分の口から漏れていることに気づき、琴音は顔を覆いたくなった。だが、彼の強い手に、顔を掴まれ、彼の熱い視線と絡められる。
「いい声だ、琴音。もっと聞かせてくれ。君がどれほど私のものになったか、私に証明してくれ」
その後は、嵐だった。
蓮は、契約という名の下に、琴音の体を丁寧に、しかし容赦なく、己の色に染めていく。彼の愛撫は、琴音の体の隅々まで行き渡り、彼女の秘めた熱を解放させた。
「こんなにも、熱いのに……なぜ、隠していた?」
彼の唇が耳元で熱く囁く。情景描写は、細部にまで渡り、彼がいかに琴音の体の反応に夢中になっているかが伝わるよう描かれる。
(体が、勝手に……彼を求めてしまう)
理性では抗いたいのに、本能が彼の熱を拒否しない。彼のテクニックは完璧で、琴音の体は、初めて味わう極上の快楽に、溺れていくしかなかった。
「……っ、は、蓮……」
契約のはずだった。心は繋がっていないはずだった。
だが、この熱い体と体の触れ合いは、すでに契約という枠組みを超え、お互いの存在を深く求め合う、本能的なものへと変わり始めていた。
長時間にわたる情熱的な愛の交わりが終わり、琴音は完全に力を失い、蓮の腕の中に横たわった。
蓮は、乱れた息を整えながら、琴音の濡れた髪をそっと撫でた。
「いい夜だった。これで、君は私の専属になった」
彼はそう言うと、琴音の額に、冷たい、しかし確かな支配欲に満ちたキスを落とした。
契約の初夜は、琴音の体を極上の熱で溶かし、彼女の心を、冷徹な御曹司社長の独占欲という名の深い沼へと、引きずり込んでいったのだった。
重厚なカーテンが閉ざされた部屋は、間接照明の柔らかな光に包まれている。だが、その光は、この部屋がこれから熱を帯びる場所であることを、隠しきれていなかった。
蓮は、そっと琴音をベッドの上に降ろした。シルクのシーツが、パジャマの上からでも肌に滑らかに触れる。
「私の部屋だ。緊張しているようだな、琴音」
蓮は、自分のジャケットを脱ぎ、椅子に静かにかけた。その動作一つ一つが、どこか儀式的なものに見える。
「あ……はい」
「緊張する必要はない。これは、契約だ」
彼はそう言うと、ネクタイを完全に外し、ワイシャツのボタンに指をかけた。その白いシャツの下に鍛えられた彼の肉体が垣間見え、琴音は思わず視線を逸らした。
「夜の要求を拒否しない。それが、君が受け入れた契約の一つだ。私は君の債務をすべて引き受けた。君は、その対価として私に体を捧げればいい」
蓮の声は低く、淡々としているが、その瞳は夜景の冷たさとは裏腹に、深く、熱を帯び始めていた。
蓮は、ベッドの縁に腰掛け、ゆっくりと琴音に顔を近づけた。
「怖いか?」
「……少し、です」
正直に答える。それは、初めての経験への恐怖と、彼という完璧な存在に求められることへの、羞恥と戸惑いだった。
蓮は、その細い指で琴音の顎を再び持ち上げた。そして、唇を重ねる。
「っ……」
最初の一瞬は、冷たさを感じた。だが、すぐに彼の舌が、琴音の唇を割って入り込み、強く、情熱的に絡めとる。それは、主導権を握る者の、支配的なキスだった。
(支配されている……)
息をするのも忘れ、彼のキスに溺れる。彼のキスは、琴音がこれまで見てきた冷たい仮面を、一瞬にして剥ぎ取るようだった。彼のすべてが、熱く、そして貪欲だった。
キスが途切れると、蓮の額と琴音の額が触れ合う。お互いの呼吸が、乱れているのがわかる。
「君は、こんなにも熱くなる。契約など、取るに足らない理由だ。本当は、私に求めているんだろう?」
彼の言葉は、琴音の心の奥底を見透かしているようで、心臓が大きく鳴った。
蓮の手が、琴音のパジャマのボタンに触れる。その指先は、冷静で器用だが、服を脱がせる行為には、抗いがたい熱がこもっていた。
「私の前では、虚勢を張る必要はない」
彼はそう囁くと、一枚、また一枚と、琴音の服を丁寧に脱がせていった。
薄いパジャマが剥がされるたびに、琴音の肌は夜の空気に晒され、粟立つ。そして、彼の視線が、その肌を追う。
「……綺麗な肌だ」
蓮の視線は、もはやビジネスマンのものではない。それは、手に入れた獲物に対する、純粋な独占欲と、男としての情欲に満ちていた。
琴音の体が完全に露わになると、蓮は自分のワイシャツも脱ぎ捨てた。完璧に鍛えられた胸板、割れた腹筋。それは、琴音の想像以上に男らしく、そして美しい肉体だった。
彼は再び、琴音に覆いかぶさる。
「私の契約の花嫁。今夜から、君の肌のすべては、私に属する」
蓮の唇は、今度は琴音の首筋、デコルテへと降りていく。熱い吐息とともに、吸い上げるような愛撫が続き、琴音は息を詰まらせた。
「や、蓮……さま……」
情欲に溺れる声が、自分の口から漏れていることに気づき、琴音は顔を覆いたくなった。だが、彼の強い手に、顔を掴まれ、彼の熱い視線と絡められる。
「いい声だ、琴音。もっと聞かせてくれ。君がどれほど私のものになったか、私に証明してくれ」
その後は、嵐だった。
蓮は、契約という名の下に、琴音の体を丁寧に、しかし容赦なく、己の色に染めていく。彼の愛撫は、琴音の体の隅々まで行き渡り、彼女の秘めた熱を解放させた。
「こんなにも、熱いのに……なぜ、隠していた?」
彼の唇が耳元で熱く囁く。情景描写は、細部にまで渡り、彼がいかに琴音の体の反応に夢中になっているかが伝わるよう描かれる。
(体が、勝手に……彼を求めてしまう)
理性では抗いたいのに、本能が彼の熱を拒否しない。彼のテクニックは完璧で、琴音の体は、初めて味わう極上の快楽に、溺れていくしかなかった。
「……っ、は、蓮……」
契約のはずだった。心は繋がっていないはずだった。
だが、この熱い体と体の触れ合いは、すでに契約という枠組みを超え、お互いの存在を深く求め合う、本能的なものへと変わり始めていた。
長時間にわたる情熱的な愛の交わりが終わり、琴音は完全に力を失い、蓮の腕の中に横たわった。
蓮は、乱れた息を整えながら、琴音の濡れた髪をそっと撫でた。
「いい夜だった。これで、君は私の専属になった」
彼はそう言うと、琴音の額に、冷たい、しかし確かな支配欲に満ちたキスを落とした。
契約の初夜は、琴音の体を極上の熱で溶かし、彼女の心を、冷徹な御曹司社長の独占欲という名の深い沼へと、引きずり込んでいったのだった。

