君とつないだ未来

陽翔が高校生活を終える頃、家の中には少し特別な空気が流れていた。制服姿も最後となり、朝の支度の風景も少しだけ落ち着いた緊張感が漂う。私と康太さんは、陽翔の成長を誇らしく感じながら、いつもより少し早く起きて朝食を用意する。
「にぃに、最後の高校生活楽しんでね」
結愛が小さな声で言うと、陽翔は笑顔で頷き、妹に優しく手を振る。
「ありがとう、結愛。にぃに、頑張るよ」
陽翔は部活や友達との時間を大切にしながら、卒業に向けての準備を進めていた。制服姿で登校する彼の背中に、私たちは成長の証を感じ、胸が熱くなる。康太さんもそっと私の手を握り、静かに笑みを浮かべる。
卒業式当日、校舎に足を踏み入れた陽翔は、クラスメイトや先生たちとの別れを惜しみながら、式典に臨む。私たち家族は式場で見守り、手を振りながら胸いっぱいの思いを抱く。式が終わると、陽翔は深呼吸をして、明るい笑顔で私たちに駆け寄る。
「ママ、パパ、卒業したよ!」
「おめでとう、陽翔!」
結愛も小さな声で拍手しながら、「にぃに、頑張ったね!」と笑顔を見せる。
その後、陽翔は進学先の大学生活に備え、少しずつ一人暮らしや学習の準備を始めた。結愛は中学校を卒業し、高校生活をスタートさせる。制服姿の結愛は少し緊張した様子だが、希望と期待に満ちた表情を見せる。
家族の日常も、少しずつ変化していく。陽翔は自分の時間が増え、学校や友達との関わりを大切にする一方、家族との時間も大切にしてくれる。結愛は新しい環境に慣れる中で、兄の助言や支えを受けながら、自分のペースで成長していく。
休日には家族で過ごす時間も変わらず大切にしている。公園に出かけたり、図書館や博物館へ行ったり、季節ごとの行事に参加したり。陽翔は大学生活を意識しながらも、妹や私たち夫婦との時間を楽しむ。結愛も新しい友達や部活動に夢中になりつつ、家族との触れ合いを大切にする。
夕食時、家族でテーブルを囲む時間は、これまで以上に賑やかで、笑い声が絶えない。陽翔は大学での話題や友達の話を楽しそうに話し、結愛も学校での出来事や部活の話を交えながら会話を盛り上げる。康太さんと私は、その様子を微笑ましく見守り、子供たちの成長に胸を熱くする。
ある夜、陽翔が私に静かに尋ねた。
「ママ、どうしてパパと結婚したの?」
私は手を握りながら微笑む。
「高校の文化祭でね、一緒に準備や片付けをして、そのあと花火を見たの。それで心が惹かれたの。だから一緒に人生を歩もうと思ったの」
陽翔は納得したように頷き、結愛もそばでじっと聞き入る。家族の物語は、こうして次の世代にも自然と伝わっていくのだと感じた。
日常は忙しくても、家族の絆は変わらず温かい。陽翔の大学生活への一歩、結愛の高校生活の始まり、それぞれの成長を支えながら、私たち夫婦も互いに支え合う。家族の笑顔、会話、日常の小さな出来事が、毎日を彩り、未来へと続く物語を作り上げていく。
夜、寝室で二人の子供を見守りながら、康太さんと手を握り合う。外には夜空の星が瞬き、月の光が差し込む中で、家族の日常は静かに、しかし確かに続いていく。高校卒業と進学という新しい節目を迎えた私たち家族の物語は、まだまだ続いていくのだった。