「あんな態度をしちゃった言い訳がしたいから。でも暗い話だから聞きたくないかも」
「聞かせてよ、言い訳」
話をやめないでほしかった。
心の底から彼女があんなに泣いた理由を聞きたかった。
「私、雪見と顔は同じだけど不愛想だから全然可愛がられなくて。雪見みたいに天使のように振舞えなくて。いつもみんなに必要とされるのは雪見。それでいつしか雪見と間違えられることが辛いことになってしまって」
「俺、君が一番傷付くこと言ったんだね。ごめん」
「違うんです、これは私の中の問題だから。あの、入谷さんと雪見はどういう関係なんですか?」
「え? ああ、中学生の時友達だったんだ」
「今は連絡とってないんですよね? 私、入谷さんが雪見と会えるようセッティングします。これでもお姉ちゃんですから」
すっかり誤解されてる。俺が雪見ちゃんに会いたいと思ってる。
「あ、それと、私が入谷さんのことを憶えてないのも当然のことだったので、二人で会うのもこれで最後にしましょう」
即死した。
こんなに楽しくて分かり合えた気もしてそれだけは回避できたと思っていたのに!
遂に一番怖れていることを言われてしまった。
いや、死んでる場合じゃない。
たとえ死の淵に立っていようとも力を奮い起こして生き返らねば!
「あのさ、ひとつ肝心なことを忘れてるよ。俺が雪見ちゃんを知ってるってことは、月見ちゃんのことも知ってるってことだから」
「え?」
「本当は謝らなきゃいけないのは俺なんだ。なぜならあの夜俺は、君をわざと雪見ちゃんって呼んだんだから」
「なんでですか!?」
「俺のこと全然思い出してくれないから。本当は憶えてるのに憶えてないフリしてるのかとか。だからどんな反応するか試したんだ。君がそんな想いを抱えてたなんて全然知らなかったから」
「聞かせてよ、言い訳」
話をやめないでほしかった。
心の底から彼女があんなに泣いた理由を聞きたかった。
「私、雪見と顔は同じだけど不愛想だから全然可愛がられなくて。雪見みたいに天使のように振舞えなくて。いつもみんなに必要とされるのは雪見。それでいつしか雪見と間違えられることが辛いことになってしまって」
「俺、君が一番傷付くこと言ったんだね。ごめん」
「違うんです、これは私の中の問題だから。あの、入谷さんと雪見はどういう関係なんですか?」
「え? ああ、中学生の時友達だったんだ」
「今は連絡とってないんですよね? 私、入谷さんが雪見と会えるようセッティングします。これでもお姉ちゃんですから」
すっかり誤解されてる。俺が雪見ちゃんに会いたいと思ってる。
「あ、それと、私が入谷さんのことを憶えてないのも当然のことだったので、二人で会うのもこれで最後にしましょう」
即死した。
こんなに楽しくて分かり合えた気もしてそれだけは回避できたと思っていたのに!
遂に一番怖れていることを言われてしまった。
いや、死んでる場合じゃない。
たとえ死の淵に立っていようとも力を奮い起こして生き返らねば!
「あのさ、ひとつ肝心なことを忘れてるよ。俺が雪見ちゃんを知ってるってことは、月見ちゃんのことも知ってるってことだから」
「え?」
「本当は謝らなきゃいけないのは俺なんだ。なぜならあの夜俺は、君をわざと雪見ちゃんって呼んだんだから」
「なんでですか!?」
「俺のこと全然思い出してくれないから。本当は憶えてるのに憶えてないフリしてるのかとか。だからどんな反応するか試したんだ。君がそんな想いを抱えてたなんて全然知らなかったから」


