(……また、はぐらかされたな)
「……分かった」
一言、重い返答。
だがその胸にあるのは安堵ではなかった。むしろ、輪郭がぼやけていく様な感覚。
この瞬間。運命は同じ道へと収束する───。
(何が、真実なんだ)
分からなくなる。それでも視線を横へ向ける。
スズランの存在を、確かめながら。
(……守る。必ず)
胸に誓った。
「スズランは、俺が守る」
その言葉だけは迷いなく口にした。
ジュリアンが「では……」と軽く手を打ち声をあげる。
「今夜はこのあたりで。話も一区切りついたことですし、小フリュイ公国外遊の件は別途話し合いましょう」
にこやかだが、やはりその視線は冷静に全員を見渡している。あくまで穏やかに。でもそれ以上踏み込ませない様に、場を閉じた。
ハリの部屋を出た後、重たい空気がそのまま足取りに残る。ラインアーサは言葉を持てずにいた。
(……どう説明すればいい)
ブラッドフォードや父に。そして、スズランに。
〝確かな答え〟がどこにもない。
「……アーサ。あんまり思い詰めすぎるなよ」
少し後ろから、ジュリアンの声。
振り返ると、いつもの落ち着いた顔がそこにある。
短い言葉。しかしそれだけで十分だった。
ラインアーサは肩の力を抜いて小さく息を吐く。
「……そう見えるか?」
「まあ、ね」
迷いなく言い切る。それ以上は踏み込まない。ただ、ひとつだけ。
「……分かった」
一言、重い返答。
だがその胸にあるのは安堵ではなかった。むしろ、輪郭がぼやけていく様な感覚。
この瞬間。運命は同じ道へと収束する───。
(何が、真実なんだ)
分からなくなる。それでも視線を横へ向ける。
スズランの存在を、確かめながら。
(……守る。必ず)
胸に誓った。
「スズランは、俺が守る」
その言葉だけは迷いなく口にした。
ジュリアンが「では……」と軽く手を打ち声をあげる。
「今夜はこのあたりで。話も一区切りついたことですし、小フリュイ公国外遊の件は別途話し合いましょう」
にこやかだが、やはりその視線は冷静に全員を見渡している。あくまで穏やかに。でもそれ以上踏み込ませない様に、場を閉じた。
ハリの部屋を出た後、重たい空気がそのまま足取りに残る。ラインアーサは言葉を持てずにいた。
(……どう説明すればいい)
ブラッドフォードや父に。そして、スズランに。
〝確かな答え〟がどこにもない。
「……アーサ。あんまり思い詰めすぎるなよ」
少し後ろから、ジュリアンの声。
振り返ると、いつもの落ち着いた顔がそこにある。
短い言葉。しかしそれだけで十分だった。
ラインアーサは肩の力を抜いて小さく息を吐く。
「……そう見えるか?」
「まあ、ね」
迷いなく言い切る。それ以上は踏み込まない。ただ、ひとつだけ。



