「……スズラン」
甘く優しい声に、澄んだ瑠璃色の瞳を覗き込む。
手が頬に触れ、そっと引き寄せられた。
唇が触れる。ほんの短い、静かな口づけ。
「ん……」
少し物憂げな声に、煌めく瞳を見つめる。
睫毛を震わせ、ゆっくり瞼を閉じる素振りに煽られる。このまま甘い唇を───。
しかし、扉が「コンコン」と二回程音を立てた。
「失礼いたします。お食事をお持ちしました」
一瞬固まる二人。
ラインアーサは目を閉じ、額を押さえた。
「……タイミングが良すぎるな」
「あ、えっと……!」
スズランは顔を真っ赤にして、慌てて一歩下がる。ラインアーサは「どうぞ」と何事もなかったかの様に声をかけたが、彼の耳も少しだけ赤い。
扉が静かに開き、サリベルが手押し車を押して入ってきた。
「あら……お邪魔でしたかしら」
「…! ち、ちがうの!」
静かに察する大人の余裕のサリベルに、スズランが慌てて否定した。
「ふふ…、遅い時間ですので、胃に優しいものをご用意いたしました」
そう言って並べられたのは、湯気の立つ温かなスープと小さな焼き菓子。
「少しですが、甘いものも。お好きでしたでしょう?」
「……昔のことなのに、覚えていたのか」
「ええ、もちろん。でしたらこれは余計だったかもしれませんね」
「いや、有難く頂くよ。スズランも好きだろう? 甘いの」
「う、うん」
「上手く誤魔化しても駄目ですよ。殿下は甘い物を見つけると、つい手が伸びますものね」
甘く優しい声に、澄んだ瑠璃色の瞳を覗き込む。
手が頬に触れ、そっと引き寄せられた。
唇が触れる。ほんの短い、静かな口づけ。
「ん……」
少し物憂げな声に、煌めく瞳を見つめる。
睫毛を震わせ、ゆっくり瞼を閉じる素振りに煽られる。このまま甘い唇を───。
しかし、扉が「コンコン」と二回程音を立てた。
「失礼いたします。お食事をお持ちしました」
一瞬固まる二人。
ラインアーサは目を閉じ、額を押さえた。
「……タイミングが良すぎるな」
「あ、えっと……!」
スズランは顔を真っ赤にして、慌てて一歩下がる。ラインアーサは「どうぞ」と何事もなかったかの様に声をかけたが、彼の耳も少しだけ赤い。
扉が静かに開き、サリベルが手押し車を押して入ってきた。
「あら……お邪魔でしたかしら」
「…! ち、ちがうの!」
静かに察する大人の余裕のサリベルに、スズランが慌てて否定した。
「ふふ…、遅い時間ですので、胃に優しいものをご用意いたしました」
そう言って並べられたのは、湯気の立つ温かなスープと小さな焼き菓子。
「少しですが、甘いものも。お好きでしたでしょう?」
「……昔のことなのに、覚えていたのか」
「ええ、もちろん。でしたらこれは余計だったかもしれませんね」
「いや、有難く頂くよ。スズランも好きだろう? 甘いの」
「う、うん」
「上手く誤魔化しても駄目ですよ。殿下は甘い物を見つけると、つい手が伸びますものね」



