この穏やかな輪を守っていきたい。
スズランの成長は喜ばしく、同時に王子妃として表舞台に立つ日が近づいている。
だがその前に、必ずやり遂げなければいけない事がある───。
ラインアーサはスズランと並び、静かな廊下を自室へと歩き出した。スズランの部屋は、彼の部屋のすぐ隣に用意されていた。
夜も遅くなっていた為、夕餉は部屋で軽く取ることにしている。
「今日は迎えが遅くなってごめんな」
どこか気まずそうにスズランを見る。
「わたしなら平気! ジュストベル先生の授業、とっても難しいけど……すごく楽しくて!」
そう言ってから、はっとした様にスズランは首をかしげた。
「あ、でも……ライアの方が疲れてるでしょ?」
表情をころころと変えるスズランを見て、ラインアーサは思わず小さく笑う。
「そうか、楽しそうでよかった」
二人は並んだまま廊下を進み、やがて部屋の前に辿り着く。扉の前でどちらともなく足を止めた。ほんの僅かな沈黙。
「……ライア、今日は本当にお疲れさま」
言いながらスズランが微笑むと、ラインアーサは少し困った様に瞳を細めた。
「スズランこそ。慣れないことばかりだろうに……でも、安心したよ」
そっとスズランの頬に触れる。近い距離で見つめ合うと、その頬は林檎の様に赤く染まった。
「あ、の……ライア」
「部屋に入ろうか」
ラインアーサはスズランの手を取り、扉の内側に滑り込むと性急に彼女をその両腕に閉じ込めた。
スズランの成長は喜ばしく、同時に王子妃として表舞台に立つ日が近づいている。
だがその前に、必ずやり遂げなければいけない事がある───。
ラインアーサはスズランと並び、静かな廊下を自室へと歩き出した。スズランの部屋は、彼の部屋のすぐ隣に用意されていた。
夜も遅くなっていた為、夕餉は部屋で軽く取ることにしている。
「今日は迎えが遅くなってごめんな」
どこか気まずそうにスズランを見る。
「わたしなら平気! ジュストベル先生の授業、とっても難しいけど……すごく楽しくて!」
そう言ってから、はっとした様にスズランは首をかしげた。
「あ、でも……ライアの方が疲れてるでしょ?」
表情をころころと変えるスズランを見て、ラインアーサは思わず小さく笑う。
「そうか、楽しそうでよかった」
二人は並んだまま廊下を進み、やがて部屋の前に辿り着く。扉の前でどちらともなく足を止めた。ほんの僅かな沈黙。
「……ライア、今日は本当にお疲れさま」
言いながらスズランが微笑むと、ラインアーサは少し困った様に瞳を細めた。
「スズランこそ。慣れないことばかりだろうに……でも、安心したよ」
そっとスズランの頬に触れる。近い距離で見つめ合うと、その頬は林檎の様に赤く染まった。
「あ、の……ライア」
「部屋に入ろうか」
ラインアーサはスズランの手を取り、扉の内側に滑り込むと性急に彼女をその両腕に閉じ込めた。



