「……………僕はね、君に普通の生活をしてもらいたいんだ。」
「──────」
「1年前の君に何があったかはわからないし、無理に聞き出そうとはしない。だけど………」
フッと、"彼"の顔が曇った。
「本来君は高校生だ。義務ではないが……君には普通の高校生として生きて、高校生としての人生を歩む権利がある。」
「…………」
「こんなことを僕が言うのもなんだけど………由衣、君はこんなことやめて、真っ当に生きるべきだ。今ならやり直せる。だから……」
「………やめて。そんなこと、言わないで。ボスに、私の何が分かるって言うの?」
「っ、」
「私には、"幸せ"になる権利なんてない。私は………ボスが思っているよりもずっと……」
「っ、でも、君は………」
「今更"普通の人間"になんか、なれない。今ここにいるのも、"アイツ"を探すため。"アイツ"が見つかったら、ここからも出て行く」
「…………」
「……………だから、ごめんなさい。私は、みんなみたいにボスの思い通りにはならない。」

