君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~




「もしかして………照れてます?」



わざとらしく首をかしげ、少し意地悪にその綺麗な瞳をのぞき込んでみる。


エージェントとしての計算半分、そして──ほんの少しの好奇心半分で。



「は?んなわけ………」


否定しようと口を開いた蓮さんの言葉を遮るように、上から横から声が降ってきた。



「「「照れてる(ます)ね」」」



綺麗にハモった野次馬たちの声に、蓮さんがびくりと肩を跳ね上げる。


「ばっ………!!!!」



そんな総長の慌てぶりを面白がるように、裕太がひょいと私の隣に肩を並べてきた。


「由良、聞いてよー。最近のコイツね、由良の話しかしないんだよー」



「へっ? 僕の、話……?」


「ち、違っ………! 裕太、テメェ余計なこと言ってんじゃねぇ……っ」


慌てて裕太の口を塞ごうとするけれど、時すでに遅し。



カッと一瞬で、夕焼けよりも鮮やかな朱に染まっていくその横顔。

総長の威厳はどこへやら、耳の裏まで真っ赤にしながら、大晴たちを必死に睨みつけていた。