君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~


「…………それで。ミッションのことは分かりましたけど、なんで男装なんですか?」



「スルーか。あいかわらず冷たいなぁ、君は。まあ、そういうところを買ったんだけどね」

「早く質問に答えてください。」

「はいはい、分かりましたよ。……まずひとつ目。女の見た目だと、色々と都合が悪い」


「都合、ですか……?」

「うん。君の見た目だと尚更、ね。戦闘の際に女だと舐められやすい」


「油断された方が良くないですか……?」

「まあ、そういう捉え方もあるけどね。…………理由二つ目。護衛対象は、”月華”という暴走族に入っているんだ」



「暴走族……?」

「そう。たしか……全国No.1を謳っているとか。…………まあ、君にとってはたいしたことないだろうけどね」



「…………」



「話を戻そう。それで、出来れば君には、その暴走族に入ってもらいたい」



「えっ………」

「より近くで対象を護衛するためにね。で、その暴走族に入れるのは、力を認められた男、または”姫”と呼ばれる女だけなんだ……」



「つまり。正体を隠して潜入しろ、と」

「話を短く要約すると、そういうことになるね」


「………なんで、私なんですか」



「………え?」

「他にも、適任はたくさんいますよね」