「お前ら、いつの間にそんなに仲良く……」
「ついさっきですよ。好きな歌手とか、話していたら意気投合して………」
ニコニコと仮面を張り付けて笑う私を見て、蓮さんはますます眉をひそめた。
その不機嫌そうな様子に、私は作戦通りだと心の中でこっそりほくそ笑む。
「………大丈夫か、桃華。コイツになんか変なことされてねぇか?」
今度は、彼女に向けられる視線。
問いかける言葉は過保護そのものだけれど。
────その横顔は、どこか焦燥に駆られているような、複雑な色を帯びていた。
「え、あ、うん。……蓮くんってば、心配性だなぁ……」
彼女は少し照れくさそうに、けれど私の存在を肯定するように笑う。
そんな二人のやり取りを見ながら、私はどこかまどろみの中にいた。
────『好きなのかもしれない』
昨日、蓮さんがこぼした迷いの言葉が、ふと頭をよぎる。
……もし、蓮さんのその感情が本当だったら、二人は完全に両思い。
桃華からは直接聞いたし、蓮さんの気持ちもきっと…………。
二人が結ばれるのは二人の勝手だし、私なんて関係ないはずなのに。
(……どうしてこんなに、胸がモヤモヤするんだろう。)



