君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

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あの残酷な夜から、約一年。


私が手に入れた新しい居場所。

……それは、今までとは全く違う、とある組織の中枢だった。




「…………男装、ですか?」


しんと静まり返った殺風景な空間に、私の声がぽつんと響く。



「光城高校に編入し、そこの生徒である橘花 桃華(たちばな ももか)を秘密裏に護衛せよ。……これが、お前に与える新たな任務だ」




私の目の前で、デスクチェアにゆったりと腰かけていたボスが、静かにながめていた書類から目を離した。



高校に編入して、さらに秘密の護衛任務。

しかも、相手に絶対にバレてはいけないなんて、普通の護衛より何倍も難易度が高すぎる。



(────これって、試されてるのかな)




こんな面倒な仕事が私に回ってきた理由なら、思い当たる節はたくさんある。

ありすぎて、むしろ頭が痛いくらい。


だけど────……。


ふと、ひとつの疑問が頭をよぎった。




「あの……なんで、男装なんですか?」



SPみたいに四六時中ずっとべったり一緒にいるわけでもない。


むしろ、一度も対象の前に姿を現さない可能性だって高いのに。



わざわざ男の格好をさせるなんて、どう考えても普通じゃない。



(絶対に、何か裏がある……)