「口を開けば由良由良由良~ってな」
「昨日だって、由良がちゃんと来るかどうか心配で、何度も携帯チェックしてたくせに………」
「まっ、待てっ……お前ら、余計なこと喋るんじゃねぇ……っ///」
レンさんの慌てぶりは、周囲が呆れるほどに純粋だった。
私を仲間に引き入れ、光の中に導こうとしている彼ら。
………その中心にいるレンさんが、偽物の私一人の動向にこれほどまで心を掻き乱されている。
………そんな風に真っ直ぐに私を見られたら、バックれようとしていた自分が、酷く薄汚れた存在に思えてくる。
「…………でもさぁ、それってまるで……”恋する乙女”じゃない?」
旭の軽薄そうな、けれど核心を突くような言葉が、深夜の空気の中に放り投げられた。
その場にいた全員の動きが、まるで見えない糸で操られたようにピタリと止まる。
「「「「はっ?」」」」
「おいコラ、旭、てめー何言って……」
「だって、蓮ってばヒマさえあれば由良のこと考えてんでしょ?…………それってさぁ、もう恋じゃないの?」
「「「「…………」」」」
「─────」
────沈黙。
当の本人はといえば、顔の赤みが一気に引いたかと思えば、次の瞬間には爆発したような熱を持って、ぶるぶると震えだしていた。
……その反応は、否定というにはあまりに余裕がなさすぎる。



