君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~

♠ Yui





「…………ぃ!………い……おい!!」



まどろみの中、遠くで誰かが叫んでいるような気がした。

深い霧の底から引きずり戻されるような、ひどく不快な浮遊感。


「─────っ!?」


意識が戻った瞬間、ガバッと勢いよく上半身を跳ね起き上がらせる。


すぐさまその場の状況を確認しようと前のめりになった、その時だった。



「「イタッ」」


鈍い音と共に、額に強烈な衝撃が走る。
火花が散るような痛みに、思わず視界が歪んだ。


…………どうやら、
ゴツッ、と見事に誰かの頭と衝突したらしい。





「…………あ」

「…………」


お互い目をパチパチと瞬かせ、しばし沈黙。


「…………おっ、」

”おっ”?


痛む額を押さえながら、私はぼんやりとその声の主を見つめる。

視界が少しずつ鮮明になり、見えてきたのは蓮さんではなく、別の少年だった。






「…………起きたーーー!!」


「えっ?」



思わず、言葉が漏れる。