君は、狂愛の檻の中 ~偽りの君に恋をした~



「すっ、すみません……!!僕、緊張するといっつもこうで……。前の学校でもそのせいで、いじめられてて…………。だから、今度こそは友達を作ってやり直そうって、そう思ってたのに……っ」



わざと視線を落とし、肩を小さくすぼめて。

怯えるように声を震わせ、今にも泣き出しそうな表情を作る。



(────これで私は、彼にとってただの気弱な男子転校生になった。)






───数秒の沈黙。



「……はぁ」


諦めたような大きな溜息とともに、彼が頭を乱暴にかきむしる。



「お前……変わった奴だな」




───その言葉には、もう先ほどまでの刺々しさはなかった。


警戒心は薄れ、代わりに浮かんでいたのは呆れにも似た苦笑い。




(────作戦通り。まずは第一段階クリア)



ふっと息を吐き出し、胸の中で小さくピースサインを作った。