「そんな見た目して、以外と度胸あるのな」
「そう見えます?」
「ああ。物怖じしないで、俺と普通に話してるし」
「…………? 普通に話さないで、どうやって話すんですか…………?」
「……お前、俺のことが怖くねぇの?」
「怖い? ……まあ、最初はすごくオーラのある人だなって思いましたけど……」
「…………」
「話してみると、意外にそうでもないっていうか……不器用な人なんだなって……」
「不器用…………?」
「あ、別に悪意があってそう言ったわけじゃなくて…………ただ、純粋に……」
「…………っ、ハハッ……」
「っ、えっと……?」
「お前、名前は?」
「え?僕の名前、ですか……?」
「ああ」
「僕の名前は……椎名、由良(シイナユラ)です」
「そうか。椎名、俺の名前は高瀬蓮(タカセレン)だ」
「高瀬、さん………」
「俺はもう時間だから行かなくちゃいけねぇが、明日もこの時間はここにいる。運が良かったらまた会えるかもな」
「………そうなんですか?」
「ああ。じゃあまた明日、な」
タカセさんが、スマホを手に立ち上がる。
「あ、は、はい…………」
ガチャっと音がして、高瀬が扉の外に姿を消した瞬間。
スッと、”仮面”を外す。
「ふう…………。第一関門突破、かな……」
”女嫌い”って調べにはあったけど。
男装には、まったく気が付かなかったみたいだし。
これで、アイツには”おもしろい男”としてインプットされているはず。
「…………さて、」
これから、どう動こうかな。

