君は、狂愛の檻の中


雲ひとつない青い空。


爽やかな風が吹き抜ける今日は、絶好のお昼寝日和………のはずだった。


「………おい、お前。………ここが誰の場所か分かってんのか?」


「………え?」


「ここは俺様の場所だっつってんだよ。わかったらはやく視界から消えろ、ダサ男」


俺様の場所、かぁ………私はそれを知った上でここに来たんだけど。


むしろ、"それ"を利用して。


「ごめんなさい、僕、今日からここに転校してきたので、ルールとか全然知らなくて……」


ガンを飛ばしてくる男を無視して、"優男"の仮面を被り、ニコニコと営業スマイルで返す。


「はあ?お前、転校生なの?」


「はい。つい先週、親の都合で隣町から引っ越してきました。」


「………イヤ、別にお前の事情なんか聞いてないんだけど」


「そうですか、余計なこと言ってすみません……」


シュン、と、叱られた子犬のように肩を落とす。


「お前、それを本心で捉えるなよ………そんなん、冗談に決まってるだろ……」


「冗談……?」


「ああ。……それにしてもお前、変わってんな」


「………そう、ですか?」


今日から私は、純粋無垢な男の子を演じる。


………"アイツ"を探すために、大切な片割れの"由良"という名前を名乗って。