僕の成人の誕生日の前日まで僕は彼女に会えなかった。婚約してから毎日のように彼女と時間を過ごして来たから、心にぽっかり穴が空いたようだ。シェリルに会いたくて狂いそうだった僕は珍しく彼女の瞳の色である赤いドレスを自分の礼服とペアで作った。しかし、無惨にもそのドレスを彼女が着ることはなかった。領地から帰ってきた彼女は男を連れていた。フレデリック・バロン、泣き黒子が印象的な精悍な顔立ちをした十六歳にして色気漂うバロン帝国の皇太子だ。
二人は近寄るのもヤボなくらい仲睦まじく話していた。フレデリックが彼女に贈ったドレスを見て僕は固まった。僕が用意したのと同じ赤いドレス。でも、胸元にはアベラルド帝国では絶対に手の入らないグリーンダイヤモンドがついている。
僕は気がつけば、彼女にそのドレスを着るように言っていた。彼女が舞踏会の準備にメイドのリリアたちと消えた後、フレデリックと対峙する。
「用意なさってたドレスがあったでしょうに、シェリルの意向を通してくれてありがとうございます。彼女は遠慮してましてたが、自分に見合うドレスを着たかったはずです」
二人は近寄るのもヤボなくらい仲睦まじく話していた。フレデリックが彼女に贈ったドレスを見て僕は固まった。僕が用意したのと同じ赤いドレス。でも、胸元にはアベラルド帝国では絶対に手の入らないグリーンダイヤモンドがついている。
僕は気がつけば、彼女にそのドレスを着るように言っていた。彼女が舞踏会の準備にメイドのリリアたちと消えた後、フレデリックと対峙する。
「用意なさってたドレスがあったでしょうに、シェリルの意向を通してくれてありがとうございます。彼女は遠慮してましてたが、自分に見合うドレスを着たかったはずです」



