「そういう冗談はやめて欲しいです。私はこの身を生涯オスカー王太子殿下にしか捧げるつもりはありません」

フレデリックのエメラルドの瞳を真っ直ぐ見つめる。分かってくれない人ではないはずだ。私をアベラルド王国のヘッドリー領地に隠して作った秘密の建物まで案内してくれた。
それは私が彼を信用し、彼も私を信頼しお互い秘密を共有しても口外しないという暗黙の了解。

「そんな泣きそうな顔されると、流石に傷つきます」

フレデリックが跪き、私の足元に何かをつけてくる。

「エメラルドのアンクレット?」