贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

「絶世の美女とも言われるご令嬢の頼みを断れる男などこの世に存在しません」
人差し指で私の輪郭をなぞりながら、フレデリックは笑った。
オスカー以外の男に体を触れさせる事に抵抗はあったが、今は駄々を捏ねている時ではない。
気取っている眼前の男が今、何を企んでいるのかが気になった。

「まだ、十六歳なのに大人っぽいんですね。そんなに無理して背伸びしないでください。私も同じ歳です」

フレデリックが目を瞬く。私は思わず彼の目元に手を翳した。

「な、何ですか?」
少し引いたような顔をしたフレデリック。私は正直に今の気持ちを伝える。

「綺麗なエメラルドが溢れそうだったので、思わず手が出てしまいました。今、私、少しでも価値のあるものを掬い取りたいんです。このアベラルド王国を豊かにする一雫を」

私の言葉にフレデリックは口元を抑えて目を瞑った。長いまつ毛が彼のエメラルドを隠す。もっと見ていたかったのに残念だ。

「すみません。シェリル嬢が噂以上の方で少し動揺しています。時間をくれませんでしょうか」

私は静かに頷くと彼が私に話しかけてくれるまで待とうとそっと目を閉じた。