贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

彼女は他の女を妻に迎える事を許さない点においても、次期皇帝になる男の妃としては相応しくない。

歴史上、バロン帝国では有力貴族や強国から女を皇帝に嫁がせることで、権力のバランスを保っている。アベラルド王国でも他の女が入り込む事を許さない彼女の考えは我儘と捉えられていた。彼女の我儘を可愛いと思ってしまった時点で間違っていた。

そもそも、継承権を争うような兄弟を自分の「命」だと言い切れる時点で、彼女は皇族は愚か貴族としても不適格。まるで平民が持つような感情だ。でも、彼女の弟を大切に想う気持ちは私の心を揺さぶった。彼女と関わってはいけないと危険を感じると同時に、「堪らなく好きだ」と心が悲鳴を上げる。

私は彼女を笑顔にする為に最善を尽くした。ありとあらゆる知識と財産を注ぎ彼女の望み通りアベラルド王国を豊かな土地にした。

彼女はその代わりに私に新しいことを教えてくれた。「可愛い」というのは才能であり、「可愛いの天才」が存在すること。

それは皇室の家庭教師では教えられない、アカデミーでも教えてくれない事。シェリルだけが世界に伝えられる秘匿。