馬車に戻るとフレデリックとユリシスの他にもう一人小さなお客様がいた。
「こんにちは。シェリル。いや、お母様、そんな悲しそうな顔をしないで。僕は未来から来た君の子だよ」
黒髪にルビー色の瞳のレナルドと同じ年くらいの男の子。幼いのに色っぽい顔立ち。彼はどことなくフレデリックに似ていた。
「もしかして、大魔法使い様ですか? 姿を自由自在に変えられるなんで凄いですわ」
移動魔法を使える彼は変身もできるらしい。
不妊である私に対して、酷いおふざけだ。
今なら分かる。回帰前、オスカーが狂ったように私を抱いたのは、私がエレーヌ王妃のように石女だと責められない為だ。過去の彼はいつだって私を思い遣ってくれていた。
大魔法使い様は私の事情も知らないから仕方ないのかもしれない。それでも、目の前で腐りかけている人がいるのに、こんな不愉快なことができる方は苦手だ。
でも、大魔法使い様にはユリシスを治してもらう為に務めて好意的に接しなければならない。私は口角を上げて笑顔を作った。
「マールスと呼んでくれ、シェリル嬢。君のお願い通り、ユリシスの腐りは取りのぞいたよ」
「こんにちは。シェリル。いや、お母様、そんな悲しそうな顔をしないで。僕は未来から来た君の子だよ」
黒髪にルビー色の瞳のレナルドと同じ年くらいの男の子。幼いのに色っぽい顔立ち。彼はどことなくフレデリックに似ていた。
「もしかして、大魔法使い様ですか? 姿を自由自在に変えられるなんで凄いですわ」
移動魔法を使える彼は変身もできるらしい。
不妊である私に対して、酷いおふざけだ。
今なら分かる。回帰前、オスカーが狂ったように私を抱いたのは、私がエレーヌ王妃のように石女だと責められない為だ。過去の彼はいつだって私を思い遣ってくれていた。
大魔法使い様は私の事情も知らないから仕方ないのかもしれない。それでも、目の前で腐りかけている人がいるのに、こんな不愉快なことができる方は苦手だ。
でも、大魔法使い様にはユリシスを治してもらう為に務めて好意的に接しなければならない。私は口角を上げて笑顔を作った。
「マールスと呼んでくれ、シェリル嬢。君のお願い通り、ユリシスの腐りは取りのぞいたよ」



