贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

「シェリル、どうして魔法の事を知ってるの?」

フレデリックが横たわるユリシスを一瞥する。魔法を使える彼が私に教えたとでも思ったのだろう。ということは、私の推測は正解だ。『盗聴魔法』があるならば、『通信魔法』もきっと存在する。私のアレキサンドライトのアンクレットにかけた『盗聴魔法』は連れて歩いている魔法使いがかけたものに違いない。

大魔法使いというのは腐った体を治せるくらいだから、もっと上位の魔法が使える。『移動魔法』はファンタジー小説でよく上位魔法として登場していた。
小説というのは創作物だが、モデルがある事が多い。実際の魔法を知っている人間が書いている可能性が高いと考えた。

魔法使いはバロン帝国が囲っていて、魔法の情報は秘匿。だから、私は当てずっぽうでファンタジー小説に出てくる魔法を列挙してみただけだ。

「私は何でも知ってるのよ。馬鹿な子だと思ってたでしょ」
「⋯⋯そんな事ないよ。でも、大魔法使い様が来てくれるかどうかは分からない。難しい人だから、こちらから出向くのが礼儀だと思う」