オスカーのような裏切り者など、どうにでもなってしまえと思っていた。でも、いざ彼と私の名前が並んだ結婚証明書を前にすると、彼を愛していた思い出が蘇ってくる。
私はその思いをかき消すように首を振り、結婚証明書を侍従から取り上げビリビリに破り捨てた。その様子をフレデリックは満足げに見ている。
「早く、この国を出ましょ。貴方の名前は?」
「⋯⋯ユリシス」
「ユリシス」は神話に出てくる英雄の名前でもある。利用されてたとはいえ、実際彼は人々の希望になった英雄。その英雄は失敗を認めて、己を犠牲にして時を戻した。彼の英雄になりたいなんて言ってしまったけれど、今世でこの国の民を救いまた彼を英雄にしたい。私は今まで抱いた事のない未知の感情を彼に抱き始めていた。
「ユリシス、良い名前ね。今からバロン帝国に体を治しに行くわよ」
ユリシスの腕を肩にかけると、フレデリックが手で制してくる。
「その男は連れて行けない」
「じゃあ、私もここから動かないわ。この子を見ていると弟のレナルドを思い出して、とてもじゃないけど放っておけないのよ」
「シェリル、君の弟はまだ八歳だろ」
私はその思いをかき消すように首を振り、結婚証明書を侍従から取り上げビリビリに破り捨てた。その様子をフレデリックは満足げに見ている。
「早く、この国を出ましょ。貴方の名前は?」
「⋯⋯ユリシス」
「ユリシス」は神話に出てくる英雄の名前でもある。利用されてたとはいえ、実際彼は人々の希望になった英雄。その英雄は失敗を認めて、己を犠牲にして時を戻した。彼の英雄になりたいなんて言ってしまったけれど、今世でこの国の民を救いまた彼を英雄にしたい。私は今まで抱いた事のない未知の感情を彼に抱き始めていた。
「ユリシス、良い名前ね。今からバロン帝国に体を治しに行くわよ」
ユリシスの腕を肩にかけると、フレデリックが手で制してくる。
「その男は連れて行けない」
「じゃあ、私もここから動かないわ。この子を見ていると弟のレナルドを思い出して、とてもじゃないけど放っておけないのよ」
「シェリル、君の弟はまだ八歳だろ」



