贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

僕が問い詰めるとリリアは慌てたのか、桶をひっくり返してしまった。ぬるま湯が僕の足元にかかる。

「申し訳ございません。無言で手渡されたので、ローブに隠れていた髪が白かったことしか分かりません」
慌てて跪いて水を拭いている彼女の手を止めさせる。

「リリアと言ったな、君はシェリルの準備に集中してくれ。彼女を予定通りドレスアップさせ結婚披露宴会場の前まで連れて来てくれれば、この失態に関しては咎めない」
「お慈悲をありがとうございます。オスカー王子殿下」

今は結婚披露宴を成功させることに僕は注力するべきだ。怪盗ロンドとは主にバロン帝国で貴金属を中心に盗みを働いている泥棒。バロン帝国から仕入れた新聞を読んだ時には、盗みに入る前にわざわざ知らせてくれる親切な犯罪者だと感心した。しかし、いざターゲットになると気分が悪い。

アベラルド王国の国宝のダイヤモンドといえば、一つしかない。この国で一度だけ女性が玉座に座った代があった。第二十一代女王クリスティーヌ・アベラルド。優秀であるが故に先王のご指名で王位に就いた彼女が初めにしたのは、全体をピンクダイヤモンドで覆った贅沢なティアラを作ったこと。