贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。

僕は緊張しながら、その重いモスグリーンの扉を開く。

燭台の火は消され窓から差し込む月明かりだけを頼りに、天蓋付きのベッドに辿り着く。恐る恐るシーツを捲ると長いまつ毛を伏せてシェリルが寝入っていた事に安心した。

『オスカー、貴方浮気してたの? 子供って何?』

パチリと開いたルビー色の瞳は潤んでいた。尋ねられた言葉にどう返答して良いか分からない。僕自身も今の状況を理解できていなかった。

ただ頭の中にはシェリルにも問題があったという気持ちが渦巻いていた。

ポロポロと泣き出す彼女に僕は喜びを感じてしまった。それは深く彼女が僕を愛している証拠のように思えた。
彼女の純粋な愛を表現するようにその涙はダイヤモンドのようだった。

今ではないと分かっていたのに、もっと彼女にして欲しくて我慢して言えなかった要望を気がつけば口にしていた。

彼女の前ではいつも正直でいたかったのに、初めてした駆け引きは見事に失敗した。

───僕がフレデリックに嫉妬したように、彼女にもカロリーヌに嫉妬して欲しい。