「ちょ、何してるんですか会長! こんな体勢……示しがつかないじゃないですか……」
「会長?」
「け、敬人先輩っ」
「充電。オレの」
「ま、まだ充電するほど仕事してないでしょあなたは!」
「はっ、相変わらず言うな、お前」
言い返してきたさらに仕返しだとでもいうように、彼はわたしのお腹のあたりに回した手にぎゅっと力を入れて、さらに顔を密着させてくる。
部屋の隅で庶務の二人がものすごく気まずそうに視線を彷徨わせているのが視界に入る。
仕事に集中していた桃先輩が大きくため息をついて、目を細めながらわたしたちを親指でさした。
「そこの庶務二人。悪いけどこれは日常的な光景や。スルースキルを身に付けるしかない」
「桃先輩……そんな諦めの目で見ないでくださいませんか」
桃先輩はわたしの声を無視してまた仕事に戻ってしまった。
「あ、そういえば」
完全にスルースキルを身に付けている木坂先輩が何やら思い出したように顔を上げた。



