おかげで業務量はずいぶん軽減されたと思う。
とはいえ慣れない相手と同じ空間にいるというのはやはり疲れるもので。
無意識のうちにため息がこぼれていた。
「やる気あんのはいいけど、もうちょっと力抜けよミチル」
そんなわたしに、半笑いで声を掛ける声。
さらりとした黒髪にパーツの整った顔。首に入った入墨を隠すため今日も第一ボタンまできっちりと止めた男。
わたしは助けを求めるように彼を見る。
「で、でも会長」
「おいおい会長はお前だろーがミチル。今のオレはただの会計だ」
理事長の息子であり元生徒会長、そしてわたしの恋人でもある東間敬人。
慣れなくていまだに会長と呼んでしまい、そのたびに訂正される。
──わたしはあの日、賭けに負けた彼にこう言った。
『それなら……生徒会役員になって、わたしを助けてください』



