会長は静かに目を閉じて、深く息を吸った。
「オレにこんなことを言う権利はないのはわかっている。でも、許されるならチャンスが欲しい。……もう一度、付き合ってくれないか」
胸がぎゅっと掴まれたように跳ねた。
「は、ははははいっ! もちろんです!」
わたしはブンブンと頭がもげそうなぐらいうなずく。
会長はそれを見て楽しそうに笑うと、左右の手をそれぞれわたしの背中と後頭部に回した。
「わ、ちょっ……」
端正な顔がゆっくりと近づいてきて、わたしは思わず目を閉じる。
その直後唇に触れた柔らかい感触が何なのか……なんて、考えるまでもない。
「ん……」
繰り返し重ねられるキスは想像以上に優しくて。
膝から力が抜けていく感じがする。
「会長……」
「ん?」
「すきです」
「安心しろ、多分オレの方が100倍ぐらいお前のこと好きだから」
照れてへへっと笑うと、会長はそんなわたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。



