わたしはただ、これまで好いていてくれたはずの人に嫌われてしまったのが辛くて、元の関係に戻りたいと願っただけ。そのはず。
「……」
沈黙が……とにかく長い沈黙が流れた。
顔は有り得ないほど熱くなり、じわじわと汗が吹き出す。
違う、今のは間違えたって言わないと。言わない……と。
……間違い? 本当に?
「わたしは……会長のことが……好き、なのでしょうか」
誰ともなく問いかけるように言う。
もし、この「好きでいてもらいたい」という気持ちが、単なる「他人に嫌われるのが嫌」という普遍的な感情からくるものではないとしたら。
「自分が相手に対して持っている気持ちと同じものを、相手にも持っていてほしい」という、特定の人だけに対する感情だとしたら。
それはつまり。
「好き、みたいです。わたし、貴方のことが本当に、好きみたいです」
わたしの中で何かが決壊した。
色々な感情がどっと吹き出して、意思に反して涙が溢れてくる。



