「皆を引っ張っていけるカリスマ性とか、人の気持ちを正確に読み取る力とか、先の先まで見通して動けるところとか、だけどそれを悟らせないところとか。言い出したらキリがないけど、本当にかっこよくて、きっとわたしは一生追いつけないんだろうなって思います」
ただ原稿を読み上げているだけ。本心かどうかはわからない。
だが演出であっても、敬人をこうも褒めるのは意外だった。
「一生追いつけない相手ではあるけれど、少しでも近づきたい。同じ景色を見たい。そして、追いつけなくても、いつか違う形で超えたい。わたしにできる方法で、この学校を良くしたい。いや、絶対に良くする」
敬人は静かに、舞台に背を向けた。
(……なるほどな)
隣にいた駿が小声で言う。
「敬人? 最後まで聞いていかないの?」
「……ああ。もうわかっただろ、結果」
敬人は大きくため息をつく。
あれを仕込んだのは桃だろうか。
応援したいと思わせる方法をよく知っている。
敬人は静かに、だけど確信を持って言った。
「負けだよ、オレの」



