うちの生徒会長は今日も読めない





──そんな敬人の思いをよそに、路留はかなり練習を重ねたと思われる滑らかな口調で演説を続けていた。




「わたしは昨年、ちょっとしたきっかけで生徒会長の東間敬人さんに勧誘されて、生徒会会計を務めました」


(半強制的に入れたってのが正しいけどな)


「そこで初めて生徒会の仕事に触れ、すぐ魅了されました」


(毎日仕事がきつい生徒会室に行きたくないっつって逃げ回ってたじゃねーか)


「生徒会の皆さんはわたしからしたら人間離れして見えるぐらい優秀な人たちで」


(そりゃオレとオレが選んだ奴らだからな)


「特に会長の東間敬人さんは、わたしにたくさんの新しい世界を見せてくれた、憧れの人です」


(……憧れ、ね。テキトーなこと言ってんな)


「本当です。本当に本当に、憧れているんです。嘘じゃありません」



一瞬、心の中で言い返していた言葉が届いたのかと思って驚いた。

だが路留は、変わらずまっすぐ聴衆の方を向いたままだった。