敬人はそれをわかった上で、彼の枷になっている。
そのため駿からああ言われた瞬間、敬人の中で色々な思いが駆け巡った。
恐らくこのままでは、今後路留に対しても同じようなことをしてしまう。
路留の前に、彼女が間違いなく幸せになれる道が現れたとして。それを選ぶことで敬人の隣からいなくなるとしたら。
自分はその道を潰すか、彼女の目から隠そうとするのではないか。
結果路留が不幸になろうと、自分の元に縛り付けようとしてしまうのではないか。
だから、自分で自分に証明しなければと思った。
自分は好きなものを本当の意味で大切にできる人間なのだと。
好きな人の幸せのために身を引けるのだと。
(……でも、やっぱり無理だな)
敬人は舞台上の路留を見ながら思う。
路留が生徒会選挙に立候補するということは、駿を経由して受け取った手紙で知った。
時代にそぐわない手書きの文面には、生徒会選挙を利用して賭けをしないかとも書いてあった。



