「皆さんこんにちは。現生徒会書紀の姫城桃です」
いつもの関西寄りの言葉遣いで堂々としゃべり始めた。
そういえば、わたしは桃先輩が演説で何を話すのか事前に共有してもらっていない。
「うちのこと知ってる人手挙げて。わ、嬉しいめっちゃ挙がるやん。じゃ、今度はうちが推薦する原路留のこと知ってるって人手挙げてみ? おお、一人も挙がらんやないか。あんなに一生懸命ビラ配ったのに誰も見てないんか? まあ想定内やな」
冗談めかした物言いに、会場に笑い声が広がる。
……う、ウケてる。すごい。不本意だけど。
「わかりやすく簡潔に原路留のこと紹介するな。原路留16歳の2年生。地味で目立たず友達も少ない空気みたいな奴。でも驚くべきことになんと生徒会会計の経験あり。あ、そこ疑ってるやろ。気持はわかるで」
こんなに応援されている感じがしない応援演説ってあるんだ。
良いのかこれで……? という気はするけれど、おかげで適度に力は抜けてきた。



