うちの生徒会長は今日も読めない






目まぐるしく一ヶ月と少しが流れた。


学年が一つ上がって新入生が入ってきたり、クラス替えがあって仲良くなった岡本さんや須賀さんと離れてしまってショックを受けたりする中、わたしは必死に生徒会選挙の準備を進めてきた。


桃先輩と一緒に大量のビラを配り、スピーチ原稿の内容を繰り返し推敲し、お姉の指導のもと必死に演技力を磨いた。


そんな重ねに重ねた努力の結果が、とうとう今から、形になる。


体育館の舞台上で行われる演説の後、各クラスで投票という流れになる。




「とうとうやな。調子はどうや?」




舞台裏、桃先輩がそう言いながらわたしにミネラルウォーターのペットボトルを渡す。

わたしは大きくうなずく。




「ばっちりです」


「なんや意外やな。もっと緊張してると思ったけど」


「はい。ばっちり口から心臓その他全ての内臓が出てきそうです」


「めっちゃ緊張してたわ」




さっきから手のひらに「人」と書いて飲み込むというのを三十回は繰り返している。