どうして言い出せないのか。
それはやはり、子どもの頃の記憶が邪魔をしているからだった。
『路留ちゃんには無理だよ。地味だし。路留ちゃんに目立つことは似合わない』
またそう言われてしまうのが怖くて、生徒会に入ったこともずっと言えていなかった。
なのにいきなり「生徒会長になりたいから協力してほしい」なんて言ったらどう思われるだろう?
「ねえねえ路留ちゃん、これ覚えてる?」
話出せないでいるうちに、お姉は本棚から一冊のアルバムを取り出してわたしの前に広げた。
そこには、まだ小学生ぐらいのお姉と、「モデルデビューおめでとう」と下手な字で書かれたチョコプレートの乗ったケーキが映っていた。
「これ、初めて私が載った雑誌が発売された日に、路留ちゃんがお母さんと一緒に作ってくれたケーキ」
「あ、ほんとだ」
「甘い物は控えないといけないからおからパウダーを使ってくれたんだよ。あ、こっちはファッションショーに出ることが決まったとき。こっちはテレビ出演の記念。ふふ、路留ちゃん毎回ケーキだね」
「お祝いといえばケーキだと思って……」



