◇
「お姉、ちょっといいかな」
わたしとお姉は、世間一般の姉妹平均より仲が良いと思う。
だけど、わたしがお姉の部屋を訪ねることは滅多にない。
SNSに載せる写真の撮影や配信にも使っている部屋は、キラキラしていて気後れするから。
だから扉をノックするのにも何だか妙に勇気が必要だった。
「あれ。どうしたの路留ちゃん」
「あの……そ、相談したいことがあって……!」
演技経験があり、舞台のような大勢の前に立つことにも慣れている人。
そして、お願いすればその技術を伝授してくれそうな人。
うってつけの人が、同じ屋根の下にいる。
「路留ちゃんがそんなこと言うの珍しいね。こっち座りなよ」
お姉はそう言って、わたしの質素な部屋からは絶対に出てこないパステルカラーの丸いクッションを渡してくれた。
わたしたちは小さな白いテーブルをはさんで向かい合う。
向かい合ったまま、わたしはなかなか切り出せずに黙り込んでいた。
「お姉、ちょっといいかな」
わたしとお姉は、世間一般の姉妹平均より仲が良いと思う。
だけど、わたしがお姉の部屋を訪ねることは滅多にない。
SNSに載せる写真の撮影や配信にも使っている部屋は、キラキラしていて気後れするから。
だから扉をノックするのにも何だか妙に勇気が必要だった。
「あれ。どうしたの路留ちゃん」
「あの……そ、相談したいことがあって……!」
演技経験があり、舞台のような大勢の前に立つことにも慣れている人。
そして、お願いすればその技術を伝授してくれそうな人。
うってつけの人が、同じ屋根の下にいる。
「路留ちゃんがそんなこと言うの珍しいね。こっち座りなよ」
お姉はそう言って、わたしの質素な部屋からは絶対に出てこないパステルカラーの丸いクッションを渡してくれた。
わたしたちは小さな白いテーブルをはさんで向かい合う。
向かい合ったまま、わたしはなかなか切り出せずに黙り込んでいた。



