「ちょ、暗い顔せんといて。その条件から勝つ方法を考えるためにこうして話し合ってるんやろ」
「あ、そうですね……」
「ったく。まあでもそう。東間敬人のこれまでの実績を知っとって、なおかつ生徒会に学校をより良くしてもらいたいって本気で思ってるやつらの気を変えるのは難しい。でも……」
桃先輩はテーブルに身を乗り出して、ぐいっとわたしに顔を近づける。
「言ったら悪いけど、そんな真面目に考えて投票する奴なんて少数派やで。ほとんどは『前回やってとくに問題なかったから続投でええやろ』って具合に、何も考えんと投票してる」
「ま、まあ確かに」
「でも敬人は入学して早々、前会長を破って当選した。何でか。噂されてるみたいに理事長の息子やで忖度された……とかではないからな、念のため」
「ならどうして」
「あいつは入学前から生徒会の様子を調べて分析して、現状の生徒会の問題や自分が会長になったらどうするっていうのをこれでもかってぐらい丁寧に語ったんや。ああこの一年、冷やかしやなく本気で生徒会長になりにきてるんやなって、きっとその場にいる全員が思ったやろうな」



