「……というのが表向きの理由です。あ、いえ、これも一応本心ではありますけど」
先輩方の不審そうな視線に耐えられず、わたしは結局ゴニョゴニョと付け足した。
「は? 表向き? なら本当の理由は?」
「わたしのことを見てほしくて」
まずは、とにかく彼と同じ土俵に立ちたい。
強引に交際を始めたくせに、何の前触れもなく別れるって言い出したあの人は、これぐらいのことしないとわたしのことをちゃんと見てくれない気がする。
話し合うのは、その後だ。
そう話すうちに、だんだんと手に力がこもってくる。握りしめ手に爪が食い込んでいるのにしばらく気が付かなかった。
桃先輩は何か言いたげながらも、わたしが話す間は黙って聞いていてくれた。
「で、あんたがうちを呼び出した理由は結局何? 今の決意表明を聞いてほしかっただけ……ってわけやないんやろ?」
「は、はい。あの……先輩に、応援演説をお願いできないかと思いまして」



