わたしは一つ咳払いをして、表情を引き締めて桃先輩の顔を見た。
緊張で手のひらに変な汗が滲む。
「あの、わたし……次の生徒会長選に出てみようと思うんです」
「……え?」
「東間敬人先輩と、正面から戦いたいと思ってます」
先輩は「突然何言い出すんだこいつ」と言いたげな表情を隠そうともしなかった。そりゃそうだ。
でもこれは、冗談でもなければわたしがおかしくなったわけでもない。
「生徒会の仕事、確かに最初は嫌々やってました。だけど、最近ではわたしなりにやりがいのようなものを感じてたんです。楽しい、と思えることも多くなってきました。だからこそ……こんな形で辞めることになったのは、納得していません」
この学校の生徒会は、選挙で選ばれた生徒会長と、生徒会長から指名されたメンバーによって構成されている。
つまり、クビになったわたしが生徒会に再び入るには、また会長から指名をもらうか、自分自身が生徒会長になるしかない。



