「会長がまたたまたま火事に巻き込まれて、それを助けたら良い……? いや無理ですねどう考えても」
「はは、だろうね」
「こうなったら、やっぱりプランBか……」
わたしはぼそりと呟いて大きく息をつく。
そして自分を奮い立たせるように両頬を叩いた。
「そろそろお暇します。今日は突然すみませんでした。お話聞かせていただいて本当にありがとうございます」
「ううん。ミチルちゃんならいつでも歓迎。あ、でも帰りはタクシー呼びなよ」
「はい。もう二度と一人で杏神街は歩きません……」
ここに来たときのことを思い出して身震いする。
もうあんな怖い思いはしたくない。
アキラさんはその言葉に表情を緩めて言った。
「うん、よろしい。……だから今度ここに来るときは、ちゃんと敬人と一緒においで」
その言葉にわたしは目を見開く。
そして、大きくうなずいた。
──プランB始動。明日から忙しくなる。



