うちの生徒会長は今日も読めない





路留が生徒会室を飛び出していくのを、駿は黙って眺めていた。


先ほどもらったばかりのチョコマカロンをそっと1つ取り出す。

口に入れれば、甘くもほろ苦いチョコレートの風味がふわりと広がり、ホロホロとほどけていく。

これで手作りだというのだから驚きだ。




「良い子だよな、本当に」




しみじみとそんなことを呟く。


女性として好きだとか、そういうのではない。

あくまで妹のような、庇護対象としての好意。


だが……いや、だからこそ、敬人との関係性には少し思うところがあった。

先ほどの話を聞いてその思いはさらに強まっている。




「何食ってんだ、それ?」


「うわ、びっくりした」




背後から声がして驚いて振り返る。

いつの間にか敬人がこちらを見下ろしていた。


考え事をしていたせいで、部屋に入ってきたことに気が付かなかった。